2013.02.18 mon

新聞1面トップ 2013年2月18日【解説】子供たちの未来

新聞1面トップ 2013年2月18日【解説】子供たちの未来


【リグミの解説】

本日の新聞1面の3つの記事について、「子供」と「短期・長期」という視点が浮かびました。目の前の現実に対応することと、長い目であるべき姿を追求することのバランスをどうするか。政治にもビジネスにも個人にも当てはまるテーマです。

「幼児教育無償化」(読売新聞トップ記事)
政府が3~5歳の幼児教育無償化を検討するという記事です。参院選に向け、女性や若い世代にアピールする狙いもあるとしています。民主党は、マニフェストに掲げた「子ど
も手当」を実施しましたが、財源の問題や支給対象者の問題、そして費用対効果についての疑問も提起されました(参照:Wikipedia)。

自民党の今回の案も、財源をどうする
か問題になりそうです。一番重要なのは、少子化対策の理念と戦略を構築することです。安心して子を産み育てられる社会環境がビジョンとして明確に見えてはじめて、本当の効果が発揮されると思います。これは「国家100年の計」の政策テーマであり、次の選挙のための政局テーマではありません。

「原発世論調査」(朝日新聞3番記事)
朝日は定例世論調査で、安倍内閣の支持率等を調べています。その中で、原発についても質問をしています。内容は、「日本の原発を今後どうしたら良いか」という質問に5択
で答えるというもの。

「すぐやめる」=13%、「2030年より前にやめる」=24%、「2030年代にやめる」=22%、「2030年代より後にやめる」=12%、「やめない」=18%、「その他、答えない」=11%―。

この調査では、71%が「やめる」という判断で、「やめない」の4倍近くに達しています。一方、昨年の12月28日の読売新聞に掲載された世論調査では、「安全な原発の再稼働」についての質問で「賛成」=46%、「反対」=45%という拮抗した結果が出ています(「リグミの解説」2012.12.28)。調査時期も新聞社も異なるため、参考データに過ぎませんが、国民は「再稼働」という短期の問題と、「原発の継続の有無」という長期の問題を分けて考えている様子がうかがえます。

自民党は、早期再稼働の方針と思われます。長期の位置づけについては「10
年で検討」とし、言明を避けていますが、本音は継続を考えているようです。短期の方針だけ先行させるのは、現実主義的な対応に見えて、実は「現実」を見ていないことと言えます。長期の展望についてビジョンを出すことで、「現実」の全体像がはじめて明らかになり、短期と長期の選択肢が「ひとつながり」の一貫した戦略判断になります。

「同族経営、現場で磨く」(日経新聞3番記事)
アジアで同族経営が力を発揮しているとする記事です。同族経営は、否定的なニュアンスがあります。政治における世襲と似ています。しかし、優秀な同族経営は、長期繁栄
するとの研究もあります。米国では、同族経営をファミリービジネスと呼び、「同族(ファミリー)」「所有(オーナーシップ)」「経営(マネジメント)」の3つのサークル(円)が重なるものと捉えています。

この3サークルが、ばらばらの目的や動機になり、連動しないと同族経営は迷走し失速します。逆に、理念と戦略を共有し、しっかり連動できる
仕組みを構築すると、200年、300年と繁栄し続ける企業を創造できます。

飛躍する発想になりますが、ファミリービジネスの3サークルモデルは、政治にも応用できるのではないかと思います。ファミリーを「企業、自治体、さまざまコミュニティー」、オーナーシップは「有権者」、そしてマネジメントを「政府」と置き換え、この3つが連動できる仕組みを創ることで、「国家100年の計」の在り方が見えてくる可能性があります。

カギは、どのサークルも、短期指向と視野狭窄を手放すことです。同族経営は、放っておくと、3代で大半が消滅します。国家はどうでしょうか。3代
100年の国づくりや社会変革は、今生まれてきている子供たちの未来を創造する活動です。

(文責:梅本龍夫)





① 【政府広報】 「幼児教育無償化へ協議会」

  • 政府は17日、3~5歳の幼児教育無償化を検討する政府・与党の連絡協議会を3月に設置する方針を固めた。森少子化相、下村文部科学相、田村厚生労働相を中心に、自民党と公明党の内閣、文科、厚労の各部会長らで構成する。
  • 6月をめどに、制度の概要となる幼児教育大綱(仮称)をまとめ、早ければ2014年度から実現する段取りを想定している。
  • 幼児教育の質の向上と、子育て世帯の負担軽減による少子化対策への効果を見込む。幼児教育無償化の検討は、参院選に向け、女性や若い世代にアピールする狙いもある。


    ② 【独自取材】 「高梨、W杯総合」
    スキージャンプ女子ワールドカップ(W杯)の個人第14戦に高梨沙羅(16)が優勝し、4連勝で今季8勝となり、個人総合優勝を決めた。ジャンプW杯では、男女を通して日本初。

    ③ 【独自取材】 「国際連盟に女性委」
    国際レスリング連盟は17日、女性委員会や倫理委員会を設置し、女性への競技普及やコンプライアンスの徹底などの改革を進めることを決めた。国際オリンピック委員会の意向に沿ったもの。

     

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 





① 【連続企画】 「胡氏の側近、失墜の闇 ~紅の党」

  • 令計画(56)は、中国共産党の中央弁公庁主任だった。党員8千万人の頂点に立つ総書記の秘書役で、日本で言えば内閣官房長官にあたる。令は総書記だった胡錦濤と同じ共産主義青年団(共青団)幹部の出身であり、胡氏の「側近中の側近」だった。
  • 令氏の妻の谷氏は、夫の威光を背に、共青団傘下の基金への寄付を募るのに、令氏との食事などの「特典」を用意。2年余で寄付総額は約5億元(約75億円)に上った。
  • ところが2012年3月、令夫妻の息子が運転するフェラーリが橋脚にぶつかり、同乗の女性とともに死亡した。フェラーリは事故前に別の車と接触しており、司法関係者は「単なる事故ではない」と語る。谷氏は基金会を去り、令氏の部長としての肉声はほとんど伝えられない。


    ② 【独自取材】 「16歳高梨、総合V」
    ノルディックスキージャンプ女子ワールドカップ(W杯)の個人第14戦で、16歳4ヵ月の高梨沙羅が優勝し、今季8勝目となり、個人総合優勝を決めた。ジャンプW杯での日本選手の総合優勝は初。

    ③ 【世論調査】 「内閣支持62%に上昇」
    朝日新聞の世論調査(16、17日、電話)によると、安倍内閣の支持率は62%(前回の1月19、20日は54%)、不支持率は17%だった。支持理由は「政策の面」が48%でトップだった(前回は40%)。

     

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 





① 【政府広報】 「個人保証、原則認めず」

  • 法制審議会(法相の諮問機関)は、金融機関が中小企業などに融資する際に求めていた個人保証を原則として認めないとする、民法改正案を本格的に検討する。
  • 法制審の専門部会は、経営者本人による会社債務の保証は、例外として認める案が検討されている。ただし、裁判所が経営者の支払い能力などを考慮して保証債務を減免する救済制度の新設などを検討している。
  • 個人保証は、事業者の資金調達を容易にする半面、善意の保証人が高額請求を受け、自己破産や自殺に追い込まれるケースもある。検討通り民法が改正されれば、長年の慣行が根本から見直される。


    ② 【独自取材】 「16歳高梨、総合V」
    ノルディックスキージャンプ女子ワールドカップ(W杯)で、日本のエースの高梨沙羅が優勝し、今季8勝目となり、W杯個人総合優勝を決めた。16歳4ヵ月での総合優勝は、スキーW杯史上で最年少となる。

    ③ 【独自取材】 「TPP判断へ正念場の訪米」
    安倍首相は、22日の日米首脳会談で、日本の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加問題について、関税撤廃に例外もありえるとのオバマ大統領の発言を引き出し、自民党内の大勢を占める慎重派を説得する材料としたい考えだ。

     

(毎日jp http://mainichi.jp/
 





① 【政府広報】 「法定利率下げ、変動制に」

  • 法務省の法制審議会で取りまとめている民法改正の中間試案の内容が17日、明らかになった。債務支払いの遅延時に上乗せする法定利率に変動制を導入する。
  • 現行で年5%の法定利率を、近年の金利水準を考慮して3%に引き下げると明記する。その上で、市場金利との乖離を是正するため、0.5%刻みで変動させる制度とする。
  • 多数との契約に使う約款既定の明文化し、短期消滅時効を廃止し時効期間の統一化を進める。2015年の通常国会への改正案提出を目指す。民法制定から約120年ぶりの抜本改正に向けた動きとなる。


    ② 【政府広報】 「地震保険料15%上げ」
    政府と損害保険各社は、2014年7月をめどに、家庭向け地震保険の新規契約の保険料を15%程度引き上げる。巨大地震発生リスクが高まっているとの判断による。

    ③ 【連続企画】 「同族経営、現場で磨く ~アジア跳ぶ」
    韓国ロッテグループ会長の辛東彬が、トップ会談で即断即決できるのは、単にオーナーだからではない。徹底した現場主義の裏付けがあるからだ。アジア企業は、進化する同族経営で伸びる。

     

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 





① 【独自取材】 「あゝ上野駅、哀歓130年」

  • JR上野駅が開業130年を迎える。開業100年当時、駅に集まるさまざまな人間模様を写した写真集が最近、新装再出版された。
  • 写真集には、構内に新聞紙を敷いて酒盛りする年配男性、風呂敷包みを背負う女性、幼児を抱きかかえ柱におしっこをさせる若い母親、階段に座り込む人々などの姿がある。
  • 14、15番線ホームの当時の雑然とした様子を、現在の整然としたホームの様子と比較すると、まったく雰囲気が違う。駅のホームにただずんだ人々の姿は、遠い昔話のようだ。


    ② 【独自取材】 「作業員事故死、公表せず」
    東京23区清掃1部事業組合や警視庁は、新江東清掃工場で定期補修作業を委託された男性社員が1月10日に事故死したことを公表していなかった。

    ③ 【独自取材】 「高梨総合V」
    ノルディックスキージャンプ女子ワールドカップ(W杯)で、日本のエースの高梨沙羅が今季8勝目を挙げ、W杯個人総合優勝を決めた。16歳4ヵ月での総合優勝は、スキーW杯史上で最年少となる。


(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)




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