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【リグミの解説】

犠牲者の氏名の開示
本日の新聞1面は、アルジェリアの人質事件の犠牲者の方々の氏名などが報道されています。政府は、家族に配慮し今まで氏名の開示を控えてきましたが、遺体の帰国と同時に氏名のみを公表しました。各紙は、独自取材で年齢や肩書、人物像などを報道しています。事件の解明にあたる神奈川県警は、遺体の検視と死亡解剖をしましたが、遺族に配慮し、死因の公表を差し控えています。

今回の事件では、現地に政府関係者もメディアも入れず、アルジェリア政府と軍の情報開示も限られたため、通信社や地元メディアなどが出すさまざまな情報に一貫性がなく、事実確認に手間取りました。そうした中、日本人の多数の安否がわからず、焦燥感を募らせる日々が続きました。結果として、10名が亡くなるという痛ましい事件となりました。

失われた命の意味を語り継ぐ
事件の全容解明と、再発防止策を考えていく上で、日本国民も犠牲者の氏名や背景を知ることには、一定の意義があると思います。事実を正しく知ることは、物事の是非などを判断する上で基本中の基本となることです。しかし、知りたいという好奇心が、しばしば興味本位のものになり、出なくても良い情報が無配慮に公開されることもあります。情報を受け取る側は、事件を他人事にしない心がけが必要だと思います。

本日の日経新聞のコラム「春秋」で、「1985年の日航ジャンボ機墜落事故はメディアにとって、犠牲者520人の物語をしるしていく営みでもあった。被害者の名前なしに、社会は悲しみを共有していくことができるだろうか。事実を語り継いでいけるだろうか。一人ひとりの無念が社会に刻まれて、あの未曾有の事故の教訓もいまに生きている」と記しています。

亡くなられた日揮関係者の氏名、顔写真、生前のエピソード、ご遺族の反応。次第に増える犠牲者の情報は、失われた命の意味を語り始めています。痛ましい犠牲を忘れず、未来につなげるために、何ができるか問われています。亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

（文責：梅本龍夫）
 

① 【政府広報】　「犠牲者9人、声なき帰国」

• アルジェリアの人質事件に関する日本政府の対策本部は25日、事件の経緯に関する検証委員会の設置を決定した。海外における日本人や日本企業の安全確保策をまとめる。
• 事件で無事が確認された日本人7人と、犠牲者10人のうち9人の遺体が、政府専用機で羽田空港に帰国した。
• 安倍首相は対策本部で、「世界の最前線で活躍する10人の日本人が犠牲になったことは痛恨の極みだ。国際社会と連携してテロとの戦いに取り組んでいただきたい」と語った。

  
  ② 【政府広報】　「新規国債、税収下回る」
  政府は25日、2013年度一般会計予算案の概要で、税収を43.1兆円と見込んでおり、新規の国債発行額が4年ぶりに税収を下回ることになった。
  
  ③ 【政府広報】　「原発作業員に身元調査」
  原子力規制委員会は、原子力施設のテロ対策の一環として、作業員がテロリストの内通者になるのを防ぐため、犯歴などの身元調査の義務化に踏み切る方針だ。
   

（YOMIURI ONLINE　http://www.yomiuri.co.jp/）
 

① 【独自取材】　「涙の帰国」

• アルジェリアの人質事件で最後に死亡が確認された日揮の最高顧問（元副社長）の新谷正法さんの遺体は、26日に帰国する。これで無事だった7人と亡くなった10人の日本人全員が帰国する。
• 政府は、海外で働く日本人を守るための検証委員会を立ち上げ、対策づくりに乗り出す。アルジェリア政府に状況説明を求め、日揮関係者の協力も要請する。
• 神奈川県警は、9人の遺体の検視と死亡解剖を実施した。遺族に配慮し、「死因などは言えない」としている。

  
  ② 【政府広報】　「全学年35人学級断念」
  文部科学省は、公立小中学校の全学年に「35人以下」の少人数学級を導入する計画の断念を決めた。民主党政権が推進してきた「35人以下学級」は、政権交代で白紙に戻った。
  
  ③ 【政府広報】　「習氏、日中改善に意欲」
  公明党の山口代表は25日、習近平総書記と北京で会談し、日中首脳会談の実現を要請。習氏は、「ハイレベルの指導者の交流を重視し、真剣に検討したい。そのために積極的に雰囲気をつくっていくことが大事だ」と応じた。
   

（朝日新聞デジタル　http://www.asahi.com/）
 

① 【独自取材】　「犠牲の9人帰国」

• アルジェリアの人質事件で救出された日揮の関係社7人と、犠牲者9人の遺体が25日、政府専用機で羽田空港に到着した。
• 日揮の川名社長は、「（対策を）確認してからビジネスを継続できるか見極めたい」とし、安全対策の検証を進める考えを表明した。
• 政府は、来週にも外務、防衛など関係省庁の局長級による検証委員会を発足させる。

  
  ② 【政府広報】　「危機管理『官邸に集約』」
  安倍首相は25日、アルジェリアの人質事件で政府の情報収集能力が課題になったのを受け、国家安全保障会議（日本版NSC）の必要性を強調した。
  
  ③ 【競技広報】　「仙台育英10回目」
  第85回記念選抜高校野球大会の選考委員会が25日に開催され、出場36校が決まった。過去最多タイとなる。
   

（毎日jp　http://mainichi.jp/）
 

① 【企業広報】　「新設火力稼働、前倒し」

• 電力各社は、原発の再稼働が不透明な中、新設する火力発電所の稼働時期を前倒しする。高効率の火力発電所の早期稼働で燃料費の削減を急ぐ。
• 東京電力は、12月に予定していた広野火力発電所（福島）と常陸那珂火力発電所（茨城）の稼働を今夏に早める。関西電力も、姫路第2火力発電所の設備更新を4ヵ月早い2015年6月に終える。
• 東電、関電と東北電力の3社で、400億円規模の燃料費削減となる。電力各社は、急激に業績が悪化しており、コスト構造の抜本的な改革を迫られている。燃料費削減は、電力の安定供給にもつながる。

  
  ② 【政府広報】　「犠牲9人、無言の帰国」
  アルジェリアの人質事件で犠牲となった日本人9人の遺体と、救出された7人を乗せた政府専用機が25日、羽田空港に到着した。
  
  ③ 【政府広報】　「公共事業費5.3兆円」
  政府は25日、2013年度予算案での公共事業費を5.3兆円程度とする方針を固めた。今年度当初予算を7000億円上回り、3年ぶりに5兆円台に戻す。
   

（日経Web刊　http://www.nikkei.com/）
 

① 【独自取材】　「『ぶん、帰ってこい』」

• 事件で亡くなった愛知県の内藤文司郎さん（44）の母さよ子さんと弟の二郎さん（41）は25日、羽田空港で内藤さんの遺体と対面した。
• 「ぶん、こっちだ。帰ってこい」。二人は異国の地から文司郎さんの魂を呼び戻そうと、泣きながら何度も叫び続けた。
• 二郎さんは、泣き続けた母の気持ちについて、「最愛の息子が遠い地で亡くなった。肉体は帰ってきたが、まだ魂は向こうにある。顔を見た瞬間、その魂を呼び戻したかったんじゃないか」と語った。

  
  ② 【独自取材】　「『ビキニと福島つながっている』」
  太平洋のビキニ環礁における米国の水爆実験で被曝した漁船「第5福竜丸」の元乗務員、大石又七さん（79）は、都内の中学校で講演。「原発も核兵器も同じ。なくさなければ安心して暮らせない。一人一人が考えて答えを出して」と訴えた。
  
  ③ 【政府広報】　「最後の1人、きょう帰国」
  アルジェリアの人質事件で犠牲となった日本人10人のうち、最後に死亡が確認された日揮の関係者の遺体は25日、城内外務政務官らとともに民間機で首都アルジェを出発した。

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