2012.09.19 wed

新聞1面トップ 2012年9月19日

新聞1面トップ 2012年9月19日


【リグミの解説】

中国における反日デモ関連の記事で、今日も各紙は埋められています。日本国内では、新聞、テレビ、雑誌、ネットのすべてで連日、大きく報道しています。この段階では、グローバルなレベルでのサードビューを探ることも大事です。

グローバルビューの一端
朝日新聞は、本日の国際面で各国メディアの報道姿勢を伝えています。

  • 竹島問題で揺れる韓国は、日中関係の悪化が東アジアの不安定化につながると懸念。「原因は日本政府と政権を目指す勢力による矛盾した領土問題への対応と歴認識の欠如にある」(朝鮮日報)
  • 北方領土問題を抱えるロシアは、日中の尖閣問題を「戦後最も深い危機」(コメルサント紙」と指摘。ロシア外務省は、領土問題の解決は、武力ではなく「平和的手法」しかない、と強調
  • フランスのフィガロ紙は「今回の危機の唯一の利点は、覇権を狙う中国を苦々しく思っている近隣諸国や欧米が、日本こそが中国に対する最も強い対抗勢力だと認識することになることだ」と論評
  • 米紙のワシントンポストは、中国の太平洋進出の問題として論評
  • 中国と領有権問題を抱えるベトナムとフィリピンは、中立的な事実報道のみに限定

英国エコノミスト紙のネット版では、中国の反日デモが「中国当局に誘導された偽りのもの」と、「民衆の感情を反映したほんもの」の両方の要素がある、と報じています。

この記事に対して、「西洋のメディアは日本側に立った報道をしている」と批判する中国人の書き込みがありました。一方、「多くの日本人は、反日デモの背景にある歴史問題を認識している。日本人は過去に悲しみや自責を感じているが、そのことを公に表現することに慣れていないのであって、知らん顔をしているわけではない」という日本人の意見も寄せられていますThe Economist)。

政治マーケティング

読売新聞は、本日の3面で「中国、国際世論を意識」という記事を掲げ、中国政府が歴史認識を絡めて「中国の正当性と日本の非」を主張するメッセージを世界に発信していく構えであることを報じています。

今回の領土問題を発端とする反日の動きを解決する方程式は、どんどん複雑になっている感じがします。あらゆるルートを活かして中国との「対話」のパイプを再構築すべきことは論を待ちません。双方が収めどころを探る動きに早く入るべきです。

その傍らで、日本は国際世論を味方につけていく戦略を遂行する必要があります。今回、暴徒化したデモ隊に襲撃されたパナソニックの工場は、鄧小平が松下幸之助に「中国の経済発展を手助けしてほしい」との要請に応えたものだそうです。戦争の不幸な歴史をどう認識するか、という難しいテーマと同様に、戦後の日中友好の歴史を正しく理解共有することも、「歴史認識」の大事なテーマです。

「日本人は自己表現が苦手」と逃げていては、問題は益々複雑化し解決が困難になります。国家の「説明責任」を果たす覚悟があれば、有効な「政治マーケティング」の方法は、自ずと見えてくるはずです。



讀賣新聞

【記事】 尖閣周辺、中国船12隻

  • 中国の海洋監視船10隻と漁業監視船1隻が、尖閣諸島周辺の接続水域に入域した。うち3隻が一時、魚釣島近くで領海内に侵入した。他の1隻を含めて、中国の監視船は計12隻と異例の規模になった。
  • 追走する海上保安庁の巡視船は、無線で領海に入らないように呼びかけているが、中国側からの応答は殆どないという。
  • 中国外務省の副報道局長は、中国当局の監視船の行動について、「日本の不法な国有化に対抗するための一連の措置」と語った。

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/


朝日新聞

【記事】 中国監視船、再び領海侵入

  • 海上保安庁は、尖閣諸島の海域の警戒のため、約50隻を投入した。稼働できる巡視船の半数にあたる。
  • 周辺海域では、中国の漁業監視船2隻と海洋監視船10隻が集まり、うち3隻が領海に侵入した。海保の巡視船の警告に対して「釣魚島(尖閣諸島の中国呼称)は中国固有の領土で、正当な業務を実施している」などと応答した。
  • 中国漁船1000隻が尖閣周辺に向かっているという現地報道があり、海保は厳戒態勢を敷いているが、18日夜までに中国漁船の大船団は確認されていない。

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/


毎日新聞

【記事】 中国監視船、3隻領海に

  • 海上保安庁は、中国の漁業監視船と海洋監視船の計12隻が、尖閣諸島の接続水域を航行し、うち3隻が一時領海内に侵入した。中国漁船が1000隻向かっているとされ、中国当局の艦船の領海侵犯により、緊張が走った。
  • 海上保安庁によると、中国の公船が一度に12隻も接続水域に入ったのは過去最多となる。海保は、巡視船など約30隻を配備するなど、異例の態勢で警戒を続けている。
  • 満州事変の発端となった柳条湖事件のあった18日、反日デモは中国全土の少なくとも100ヵ所で起きた。柳条湖事件発祥地の瀋陽市の日本総領事館の窓ガラスが割られるなど、被害が相次いだ。

(毎日jp http://mainichi.jp/

日経新聞

【記事】 尖閣に中国船、緊迫続く

  • 18日午後、中国の海洋監視船10隻と漁業監視船2隻が、尖閣諸島周辺の接続水域内に入り、うち3隻が領海内に侵入した。海保によると、12隻の監視船が接続水域内を航行するのは過去最多となる。
  • 外務省は、中国漁船1000隻が尖閣諸島に出航したとする中国側の報道を受け、外交ルートを通して中国側に懸念を伝えた。だが、中国の示威行動はエスカレートしており、事態収拾の道筋は見えていない。
  • 日本政府による尖閣諸島の国有化に反対する反日デモは18日、平日にもかかわず100都市以上で発生した。当局が警備を強化したため、日系企業の工場や商業施設などへの破壊行為は限定的だった。

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/


東京新聞

【記事】 自民5氏は原発容認

  • 同時に行われている民主党代表選と自民党総裁選は、次の衆院選での両党の顔を決める選挙であり、日本の行方を占うものでもある。野田首相以外の民主党候補3人は、2030年代より前倒しの原発ゼロを主張。一方、自民党候補の5人は、原発ゼロの政策に慎重な態度で、民主党の3氏と逆と言っていい。
  • 民主党候補の原発政策のスタンスは以下の通り。赤松氏「できるだけ前倒しの原発ゼロ。法律で担保を」、原口氏「原発を手放すのは早ければ早いほど良い」、鹿野氏「原発ゼロはできるだけ前倒しに」、民主党・野田氏「2030年代原発ゼロは基本方針。しかし不確定要素もある」。
  • 自民党候補の原発政策のスタンスは以下の通り。安倍氏「原発依存を下げるのはコンセンサス。しかし全部止めたままでは国富が失われる」、石破氏「経済や雇用や福祉への影響を議論すべき」、石原氏「3年間で再生可能エネルギーの実用性を確認する。簡単に原発を止めることはできない」、林氏「選挙目当ての原発ゼロは言えない」、「何の工程表もない原発ゼロは人気取り政策そのもの」。

(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)



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