2012.09.07 fri

新聞1面トップ 2012年9月7日

新聞1面トップ 2012年9月7日


【リグミの解説】


「2030年代」に向けて
民主党が、「2030年代に原発ゼロ」の方針を打ち出した、と毎日新聞はトップ記事で報道しています。民主党内には、原発維持
を主張する議員が一定数いると言われます。今回の党方針は、政府がおこなった「国民的議論」などの結果を重く受け止め、選挙に勝てる政策を打ち出すことを優先した、と見られます。

しかし選挙のテーマは「原発」(エネルギー政策)だけではありません。「財政再建」「消費増税(税制の在り方)」「社会保障(格差問題、雇用政策)」「年金」「経済」「少子化」「高齢化」「外交(日中、日韓、日米)」など、ちょっと考えただけで、十指に余るほどのテーマが出てきます。どのテーマも、「日本問題」とも呼ぶべき構造問題が背後にあり、小手先の対応では解決しそうにありません。政権政党が変わっても、日本の構造問題が変化するわけではありません。

「国家100年の計」プロジェクト
あり得ない理想(というよりも空想)かもしれませんが、主要政党を横断する政策プロジェクトチームを立ち上げ、「国家100年
の計」を協働で策定することを提案してみたい気持ちです。これをロードマップにして、どの政党が政権与党になっても、日本の大きな方向性については、ぶれない状況を創る、というもの。

これがあまりに荒唐無稽というなら、各政党が共通のフォーマットで政党公約を提出する、というのはどうでしょうか。政党が勝手に自分の言いたいことだけを言い、「選挙の顔」でイメージに訴えかけたり、「耳触りのいいワンフレーズ」で誘惑するのではなく、国民が本当に知りたい政策提言を、同じ土俵の上で横並びに評価できる仕組みを用意します。

やり方は、討論型世論調査(DP)に近いものが面白いと思います。国民全員が、マスコミ報道やネット中継などで検討のプロセスを見る中、各政党が政策を発表。政党間のディベートもします。それを国民代表の300人ぐらいのメンバーが会場で聞き、小グループで内容の検討会を開く。さらに有識者などの客観的意見を聞く。政党への質疑応答もする。そして最後に投票をします。この投票結果をもとに、政党も国民も、自分たちの方向性を再吟味し、総選挙に備えます。

「衆知」か「衆愚」か
「民意」がかつてない大きなうねりになっている日本。しかし同時、ポピュリズム(大衆迎合主義)がますます強まっている感
のある日本。民主党が打ち出した「2030年代の原発ゼロ」は、今からだいたい四半世紀後の姿です。では今から四半世紀前はというと、1980年後半のバブル期です。絶頂期を迎えた日本は、熱に浮かされて踊っていました。

今から25年後の日本は、国民自らが「国家100年の計」を計画し実行する「衆知」の社会になっているのでしょうか。それとも、その場その場の人気投票に右往左往する「衆愚」の社会にとどまっているのでしょうか。2030年代に向かう、「苦しいが明るい上り坂」と「楽だが昏い下り坂」の両方が、今見える気がします。


(文責:梅本龍夫)



讀賣新聞

【記事】 細野氏きょう首相に伝達

  • 細野豪志環境・原発相は、7日に民主党代表選への出馬意向を野田首相に伝える方向だ。
  • 細野氏の出馬を要請している若手議員は、「細野氏が出馬しない場合の損失は計り知れない」として、細野氏が出馬要請を断るのは難しいとの見方を示した。
  • 野田首相は、7日夕方に再選を目指して出馬することを表明する。細野氏が出馬すれば激しい選挙戦が予想され、表明時期を早める。

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/


朝日新聞

【記事】 細野氏、出馬見送る意向

  • 細野豪志環境・原発相は、民主党代表選への立候補を見送る意向を固めた。
  • 中堅・若手議員から「党の窮状を立て直してほしい」と立候補を要請された。しかし、「立候補するならけじめをつけるべきだ」(城島国対委員長)として閣僚が立候補することへの批判も強く、細野氏は原発事故対策を優先する必要があると判断した。
  • 野田首相は今日、代表選への正式立候補を表明する。有力な対立候補が見当たらず、優位な戦いとなりそうだ。ただ、党内で細野氏の立候補に期待する声が一時的に高まったことで、首相の求心力低下は避けられない見通しだ。

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/


毎日新聞

【記事】 「2030年代原発ゼロ」目標

  • 民主党は、「エネルギー・環境調査会」(会長、前原政調会長)の役員会を開き、「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」方針をまとめた。前原会長は、「原発を即時にやめることは現実的ではない」として、安全確認された原発の再稼働の必要性を強調した。
  • 2030年代の原発ゼロ目標については、①40年廃炉の厳格適用、②原発の新設・増設はなし、③原子力規制委員会の安全確認を得た原発は再稼働する―という3原則を示した。原発ゼロに向けた課題として、①電気料金の高騰、②原発技術・人材の確保、③使用済み核燃料の最終処分の扱い、④省エネの大胆な取り組み、⑤再生可能エネルギーの飛躍的な導入―など11項目が列挙された。
  • 政府は党方針を踏まえ、エネルギー・環境会議(議長、古川国家戦力担当相)で新たなエネルギー・環境戦略を決定する見通しだ。しかし、景気への悪影響などを懸念する経済界が反発するのは必至だ。

(毎日jp http://mainichi.jp/

日経新聞

【記事】 南欧国債、買い支え

  • 欧州中央銀行(ECB)は、南欧国債の買い入れで大筋合意した。危機対応策の「切り札」となるもので、スペインなど南欧の信用不安を払拭するのが狙い。償還期限が1~3年の国債を無制限に購入する枠組みとなる。
  • スペインやイタリアの国債は債務危機の深刻化で売られ、一時は10年債利回りが7%前後の「危険水域」まで上がった。これを踏まえ、ドラギ総裁は8月に、南欧国債の購入を検討する考えを表明。ECBの理事会判断が注目されていた。
  • ドラギ総裁は、「ユーロを防衛するため、あらゆる措置を取る」と強調した。南欧国債の利回りが大幅に上昇する事態が続けば、信用不安から景気が悪化する恐れがあった。ただ、南欧国債の買い入れは決まったが、実行時期は不透明だ。

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/


東京新聞

【記事】 再稼働、不要裏付け

  • 今夏の電力消費は、家庭と企業の節電意識が浸透し、実際の電力需要は、電力会社の事前予想を大きく下回った。
  • 電力各社は、「2010年並みの猛暑」と「平年並み」の両方を想定したが、実需要は、「猛暑」に対して5.2~11.1%少なく、「平年」に対しても2.2~9.1%少なかった。今年は「暑い夏」だったが、実際の電力需要は平年並みの予想も下回った。
  • 特に大飯原発の再稼働に踏み切った関西電力は、「猛暑」想定に対して実需は11.1%少なく、需要見通しが過大だったことが鮮明になった。専門家からは、「大飯原発のの再稼働は必要なかった」との声が出ている。


(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/


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