2012.07.29 sun

新聞1面トップ 2012年7月29日

新聞1面トップ 2012年7月29日


【リグミの解説】 古代ギリシアのオリンピックは女人禁制でした。アテネで116年前に開催された第1回近代オリンピックも女子選手の参加はありませんでした。古代ギリシアは奴隷制を含む身分制度があり、女性は男性に従属する存在であったそうです。アテナイの市民が交代で政治に参加する民主主義の原点となる活動も成されていましたが、女性に参政権はありませんでした。第1回近代オリンピック開催の19世紀末も女性の社会的地位は低く、参政権も少数の国や地域に限られたものでした。
 

ロンドンオリンピックは、参加する204の国・地域が全て女子選手を派遣し、全ての実施競技で女子種目があります。いずれも五輪史上、初めてのことです。日本の参加選手は男子137人に対して、女子は156人で、女子の参加数が男子を上回っています。その女子選手のひとり、重量挙げ48キロ級の三宅宏実選手が見事銀メダルを獲得しました。
(参照:時事ドットコム 日本オリンピック委員会

読売、朝日、毎日はそろって三宅選手の快挙を大きく報道しています。重量挙げといえば、最も男っぽい競技のひとつと考えられてきました。何しろ昔から、男の力を誇示する一番簡単な方法は、重いものを持ち上げることでしたから。その重量挙げも、2000年のシドニーオリンピックから女子種目が正式に加わり、今回三宅さんが日本女子初のメダリストとなりました。伯父さんの義信さんが1964年東京、と1968年メキシコの金メダリストで、父義行さんがメキシコの銅メダリストとなった姿をテレビで観てきた世代にとっては、そっくりな顔の宏実さんが「ミヤケ」の名を世界にとどろかせた姿に清々しい時代の風を感じました。銀メダルおめでとうございます!


讀賣新聞

【記事】 三宅「銀」

  • ロンドンオリンピックの競技が本格的にスタートした28日、重量挙げ女子48キロ級の三宅宏実(いちご)が銀メダルに輝いた。同競技では日本女子初のオリンピックメダルとなる。
  • 父の義行さんは1968年のメキシコオリンピック重量挙げの銅メダリスト。三宅は「父の首にメダルをかけたい」という思いを胸に秘めていた。娘が競技を始めたいというのを、父は最初は取り合わなかった。意志の固さに最後は折れ、二人三脚の練習を積んできた。
  • 競技を始めて12年。3度目でおそらく最後のオリンピックだったロンドンの舞台で、日本の重量挙げの女子選手で初のメダルに輝く快挙を成し遂げ、父と娘の物語を最高の結末で締めくくった。

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/


朝日新聞

【記事】 三宅、銀

  • ロンドンオリンピックの第2日の28日、各競技が本格的に始まり、重量挙げの女子48キロ級で3大会連続出場の三宅宏実(いちご)が銀メダルを獲得した。
  • 重量挙げの名門「三宅家」に生まれた。伯父義信さんが1964年東京、と1968年メキシコの金メダリストで、父義行さんがメキシコの銅メダリストという重圧が降りかかっていた。大会1ヵ月前から夜中に何度も目が覚めた。結果を求められる「ミヤケ」の重圧に苦しんできた。
  • 3月にはけがの原因を巡って父と口論になった。だが父の厳しさが「親子だからとことん突き詰めてしまう」という気持ちの裏返しだと分かっていた。銀メダルを獲得したこの日も、父は背中をポンと優しくたたき、送り出してくれた。そして宏実は、「MIYAKE」の名を再びオリンピックにとどろかせた。

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/


毎日新聞

【記事】 平岡メダル1号の銀、重量挙げの三宅も

  • 近代スポーツ発祥の地・英国の首都ロンドンで27日に開幕した第30回夏季オリンピック大会は28日、本格的な競技が始まった。柔道男子60キロ級の平岡拓晃は銀メダルを獲得、今大会日本勢初のメダリストになった。
  • 重量挙げ女子48キロ級で三宅宏実(いちご)はトータル198キロを挙げ、オリンピック出場3度目で初のメダルとなる銀メダルを獲得した。重量挙げでの日本勢の表彰台は、1984年のロサンゼルスオリンピックで男子3種目で銅メダルを獲得して以来で、女子では初めて。
  • 柔道女子48キロ級で初出場の福見友子は準決勝、3位決定戦で敗れ、5位に終わった。初戦のカナダに勝利したサッカー女子の日本(なでしこジャパン)は、グループリーグ第2戦でスウェーデンと0-0で引き分け、1勝1分となった。

(毎日jp http://mainichi.jp/

日経新聞

【記事】 日本、世界シェア首位9品目に減

  • 日本企業は、世界シェア50品目で首位が9品目と2010年より2つ減った。国別ランキングで米国に次ぐ2位。日本経済新聞がまとめた2011年「主要商品・サービスシェア調査」に拠る。多関節ロボットやカメラはシェアを伸ばしたが、自動車などが後退した。
  • 日本は首位の9品目は、産業車両が「豊田自動織機」(シェア18.2%)、多関節ロボット「ファナック」(18.0%)、数値制御(NC)装置「ファナック」(55.0%)、自動車輸送台数「日本郵船」(17.8%)、ビデオカメラ「ソニー」(44.0%)、デジタルカメラ「キャノン」(18.8%)、ゲーム機「任天堂」(41.3%)、白色LED「日亜化学工業」(28.8%)、リチウムイオン電池「パナソニック」(23.5%)。
  • 首位争い以外でも、電気・IT(情報技術)分野が劣勢だった。ITに強い米国は首位に19品目、巨大な国内市場を抱える中国は6品目へ首位品目を増やした。

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/


東京新聞

【記事】 大輪見下ろす ~スカイツリーで隅田川花火

  • 東京・下町の夏の風物詩「隅田川花火大会」が28日、東京都台東区と墨田区の両岸で開催さいれた。浴衣姿の見物客ら約95万4千人(主催者発表)が詰めかけ、計2万発の花火を楽しんだ。
  • 会場近くにあり、今年5月に開業した東京スカイツリーは、高さ350メートルと450メートルの展望台で初の花火見物が実現した。186倍の抽選に当たった500人をはじめ、事前購入したりプレゼントに当たった計700人が展望台に上り、花火を眼下に見下ろした。
  • 「地面から花火が湧いてくるみたい」。夜の街並みを背景に、赤、青、金の大輪が次々と開花する。観客は、手すりから身を乗り出し、窓の下に立体的に見える花火に向けて歓声を上げた。


(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/


【本日の新聞1面トップ記事】アーカイブ