2014.03.05 wed

2014年3月5日【新聞解説】力の論理、愛の摂理

2014年3月5日【新聞解説】力の論理、愛の摂理


【リグミの解説】

いじめ事件の摘発増加
警察によるいじめ事件の摘発が増えています。警察庁の統計によると、2013年のいじめ事件は、2012年の6割増しの410件で、摘発や補導された小中高生は4割増しの724人に達したそうです。このうち7割強を中学生が占めています。東京新聞が本日の社説でこのことを取り上げています。
 
<東京新聞> いじめ摘発急増 学校は力の限り尽くせ
・ いじめは、学校の手に負えないような犯罪行為に等しい問題があれば、警察に知らせるというのが基本だ。学校も警察も被害者側が訴え出やすい環境作りに努めてほしい。
・ 事件の急増ぶりを見て禁じ得ない疑問は、警察が乗り出すほどの非常事態に至る前に学校は手を尽くしたのかということだ。
・ 学校は事件の経過について保護者を交えて検証し、教訓を生かさねばならない。警察は犯罪を止められても、子どもの教育はできない。学校はそのことを肝に銘じてほしい。
 
社会に蔓延する「いじめ」
同じ東京新聞の3/2朝刊で貴戸理恵・関西学院大学准教授が、「いじめに導く生存戦略」というコラムを書いています。貴戸先生は、「いじめは、被害者に逃げ場がなく、誰も加害者を罰しないという条件が整って初めて成立する。学校の教室では、周囲は加害者を止めず、見て見ぬふりをする。学校は、いじめを継続させる条件を備えた特殊な場だ」と言います。逆に言えば、「いじめはそれを成立させる条件を解体することで、なくすことができる」。
 
ところが、学生から「いじめは決してなくならない。なぜなら、強い者が弱い者を打ちのめすのは人間の本能だから」という反応が出て、貴戸先生は考え込んでしまいます。今の学校は、生徒たちが互いをランク付けする「スクールカースト」があります。社会に出るためには、過酷な就職競争が待ち受けています。まずは「若者を過酷な競争に追い込む新自由主義を何とかすべきではないか」。
 
「いじめ」は、学校だけでなく、会社組織の中にもハラスメントという名であります。家庭の虐待問題の基本にあるのも「いじめ」の心理です。ネットを中心に見られる過酷な他者批判や罵倒、ヘイトスピーチもまた、形を変えた「いじめ」です。私たちの社会に蔓延する「いじめ」に対処する第一歩は、「被害者を救済する」ことです。警察の介入が不可避なケースが増えていることを、私たちは深刻に受け止める必要があります。
 
 
加害者救済という視点
「いじめ」を解決していくより根本的なアプローチは、「加害者を救済する」ことにあると思います。「いじめは生存本能」という意味の発言をした大学生は、人間は弱肉強食のルールで動いていると見ています。地球の食物連鎖を見れば、それは一面の真理です。しかし、より深いところをみれば、生命の本質は、互いを生かしあい助け合う共存共栄の基盤にあることがわかります。弱肉強食が「力の論理」だとすれば、共存共栄は「愛の摂理」です。
 
いじめの加害者こそ、ほんとうはいじめの被害者であるともいえます。加害者は弱肉強食の論理に怯え、自ら攻撃することで生き延びようとします。加害を続ければ、それだけ本人の魂は傷ついていきます。加害者は、被害者をいじめることで、実は自分自身を追いこんでいます。
 
警察がいじめの加害者を摘発し処罰することは、緊急避難としてはやむを得ないと思います。しかし、加害者を糾弾し、排除しても、社会に蔓延するいじめ問題はなくならないでしょう。加害者がなぜ加害に追い込まれるのか、そのことを根本から見つめ、治癒する必要があります。迂遠で困難に見えても、加害者を「愛の摂理」で包む取り組みを私たちが少しでもはじめられれば、社会は変わるのではないでしょうか。ささやかな希望です。

(文責:梅本龍夫)



  1. 広域特区に23区・横浜・川崎 一部選定へ「バーチャル」新潟、福岡
    http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20140304-OYT1T01593.htm?from=navr
  2. 露「軍事行動 必要ない」ウクライナ 米は「数日内に制裁」
    http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20140304-OYT1T01221.htm?from=ylist
  3. 地下水放出 廃炉へ関門 転機の復興

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 



  1. 警察病院入札で裏金「元長官秘書らに2千万円」
    http://www.asahi.com/articles/ASG345GVZG34UUPI003.html
  2. 派兵、現時点では否定 プーチン大統領「最後の手段」
    http://www.asahi.com/articles/DA3S11011703.html

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 



  1. 原発事故 爪痕今も 福島第1規制委職員に同行
    http://sp.mainichi.jp/shimen/news/m20140305ddm001040194000c.html
  2. 露大統領 クリミア制圧認める 「緊張状態消えた」
    http://mainichi.jp/select/news/20140305k0000m030163000c.html

(毎日jp http://mainichi.jp/
 



  1. 仮想通貨に取引指針 政府 ビットコイン課税
    http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC0400S_U4A300C1MM8000/?dg=1
  2. 「ウクライナ新政権は違法」ロシア大統領 当面、武力行使せず
    http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0403Z_U4A300C1MM8000/?n_cid=TPRN0005
  3. トヨタ、一時金満額回答へ 電機6社、ベア1000~2000円
    http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ040BI_U4A300C1MM8000/?dg=1

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 



  1. 露、クリミア実効支配 占領完了 大統領 併合は否定
    http://sankei.jp.msn.com/world/news/140305/erp14030507400011-n1.htm
  2. 連続通り魔 2人死傷 柏 刃物男、4人襲い逃走
    http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140305/crm14030508440001-n1.htm
  3. 原発避難計画 35%が未策定 122自治体 本紙調査
    http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140305/dst14030501070001-n1.htm

(MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/
 



  1. 生活保護の申請「まず書面」に逆戻り? 省令案 政府原案寄りに
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014030502000112.html
  2. 柏連続殺傷 10分間に4人次々 近隣都県 不安、警戒
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014030502000145.html

(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/
 


【本日の新聞1面トップ記事】アーカイブ