2012.07.05 thu

新聞1面トップ 2012年7月5日

新聞1面トップ 2012年7月5日


【リグミの解説】 今日の新聞1面トップ記事は、「ヒッグス粒子」の発見一色です。発見は年内には確定されるそうです。既に99.9999%の確度でありながら、さらに複数の方法で検証していき、100%の確度にしようとするところに、先端科学のすごみを感じます。

ヒッグス粒子の存在が確定すると、宇宙の成り立ちを説明する基本理論が完成することになります。壮大な科学的取組が、国際チームで成されていることも、時代を感じさせます。

日本からは「16の大学や研究機関から約110人が参加し、日本人が検出チームの責任者などを担っている。資金面、技術面でも日本の貢献は大きい」とのこと(読売新聞社会面、笹井東大准教授の話)。

加速器の心臓部を担う超伝導線材は古川電工が開発、超電導状態を保つ冷却装置はIHI製、浜松ホトニクスの観測装置の使用など、日本企業の存在感も光っています(日経新聞3面)。

小惑星探査機ハヤブサは、日本の科学プロジェクトとして世界に誇れる成果を出しましたが、今回のヒッグス粒子発見では日本の科学者や大学・研究機関、そして企業が国際チームの一員として、大きく貢献しています。宇宙科学は、互いに競争し、同時に協力し合うことで、人類共有の成果を上げています。政治、経済、社会の分野でも、求めたい姿勢です。



讀賣新聞

【記事】 「ヒッグス粒子」発見

  • 欧州合同原子核研究機関(CERN)は4日、「ヒッグス粒子とみられる新粒子を発見した」と発表した。年内にヒッグス粒子の存在が最終確認される見通し。
  • ヒッグス粒子は、物質に質量を与えたとされる。世界の研究者が40年以上探し続けてきたが、現代物理学の枠組みを成す「標準理論」で考えられた17種類の素粒子のうち、唯一見つかっていなかった。
  • 今回の発見により、標準理論が揺るぎないものとなり、人類史上の大きな成果となる。

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/


朝日新聞

【記事】 ヒッグス粒子か、発見

  • 欧州合同原子核研究機関(CERN)が4日、万物に質量(重さ)を与えると考えられてきた「ヒッグス粒子」とみられる素粒子を発見した、と発表した。
  • ヒッグス粒子は、素粒子物理学の基礎となる「標準理論」の中で唯一見つかっていなかった素粒子だ。
  • 宇宙がいかにして現在の姿に至ったかを解明する意味がある。

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/


毎日新聞

【記事】 ヒッグス粒子発見か

  • あらゆる物質に質量を与えたと考えられる仮説上の素粒子「ヒッグス粒子」を探していた欧州合同原子核研究機関(CERN)は4日、大型粒子加速器「LHC」による実験で、ヒッグス粒子とみられる新たな素粒子を見つけたと発表した。
  • ヒッグス粒子は、万物の含まれる素粒子の基本理論として1960年代に提唱された「標準理論」で存在が予言された18種類の素粒子の内、唯一未発見だ。
  • ヒッグス粒子かを見極める方法は複数あり、さらなる実験や分析で確度を高める必要があるという。今年中には結論に至る見込み。

(毎日jp http://mainichi.jp/

日経新聞

【記事】 ヒッグス粒子、存在確実

  • 欧州合同原子核研究機関(CERN)は4日、物の質量(重さ)の起源とされる「ヒッグス粒子」とみられる新しい粒子を発見したと発表した。
  • 2つの国際チームによる大型加速器を使った探索実験で、新粒子が99.9999%以上の確率で存在するとの結果を得た。
  • 年内にもヒッグス粒子と最終的に確認される公算が大きく、ノーベル賞級の発見となる。

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/


東京新聞

【記事】 ヒッグス粒子、ほぼ確認

  • 欧州合同原子核研究機関(CERN)の実験チームが、万物に質量を与える「ヒッグス粒子」とみられる新しい素粒子を発見したと、4日発表した。実験結果は、ヒッグス粒子の特徴を示しており、「発見」はほぼ確実になった。
  • 「神の粒子」とも呼ばれるヒッグス粒子の発見で、物理学の標準理論で予言されていた素粒子が出そろう。
  • 宇宙の成り立ちの解明にもつながる画期的な成果だ。


(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/